冬は寒くて乾燥する
近年は地球温暖化の影響で、暖冬傾向にありますが、それでも冬は寒くて乾燥します。
冬はなぜ寒くなるのでしょう。それは冬になると夏の太平洋高気圧が南に下がり、北西の大陸から冷たい空気が日本列島にやってくるからです。
大陸からの空気は、シベリア付近で-50℃に冷やされています。
冷たい空気に含まれている水分は、日本海側で雪や雨を降らせます。
その後、山を越えて太平洋側に吹き降りてきますが、日本海側で水分を放出しているので、とても乾いた空気になります。
冬は、この冷たくて乾燥した空気におおわれます。夏の暑くてじめじめした空気も不快ですが、冷たく乾燥した空気も体調に様々な影響をおよぼします。
乾燥のリスクと体への影響
冬場の乾燥が引き起こす悪影響には、以下のようなものがあります。
風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
寒くなり体温が下がると、免疫機能が低下します。空気が乾燥していると、感染症の原因である病原菌やウイルスが空気中に長時間生存し、遠くまで拡散します。
また空気が乾燥していると、鼻や口の粘膜が乾きやすくなり、病原菌やウイルスが体内に入りやすくなります。免疫機能が低下した体に病原菌やウイルスが入るため、発病のリスクは他の季節に比べ高くなります。
さらに今年は、新型コロナウイルスに対する警戒が必要となります。
髪や肌のトラブル
健康な髪の水分は11~15%と言われています。肌の水分量も20~30%が適量で、水分量が減ると肌荒れやかゆみの症状がでます。
髪や肌は1度乾燥してしまうと修復するまでに時間がかかります。冬の間、肌荒れやかゆみに悩まされている人が多くいます。
喉の痛み
乾燥した空気を吸い続けると粘膜が乾き、喉の炎症につながります。
呼吸を意識できる日中であれば、水分補給などにより喉の乾燥を予防できますが、睡眠中は喉が渇きやすい状態のため、朝起きると喉の痛みやイガイガすることがあります。
静電気による感電
乾燥すると静電気が発生しやすくなります。静電気を帯びた状態で、金属に触れようとするとパチッと電気が流れ指先に痛みを感じます。
静電気については、衣類の材質を選ぶことによって防ぐことができます。また、静電気がたまりやすい人は、金属性のものを使って、扉に触る前に放電させることもできます。
まとめ
空気の乾燥よる体調への影響には様々なものがあります。オフィスで働く人たちについては、いつも乾燥のリスクと隣あわせの状態です。
現在オフィスの空調のほとんどは、電気式のエアコンです。エアコンによる暖房は、空気中の水分を減少させます。エアコンで室内が暖かくなると、湿度の低下を感じにくくなります。
そのため、気がついたときにはもう、肌も髪もパサパサの乾燥状態ということになっているのです。オフィスではエアコンだけでなく加湿器を併用して、湿度の管理をこまめに行うことをおすすめします。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、オフィスの換気が必要となりますが、加湿と換気を上手く使って体調管理を行ってください。
(画像は写真ACより)