みなさんは「
3ム」「
5S」という言葉をご存知ですか?
この言葉は「PDCA」や「5W3H」などのように、仕事をしていく上で基本となるビジネス用語です。
特に「3ム」「5S」は、生産・製造管理の場面で重要となります。
今回は「3ム」「5S」についてご紹介していきます。
「3ム」とは?
仕事はいかに少ない労力で、多くのよい効果を生み出すことができるかで、生産性の高さを問われ、その仕事が成功か、不成功かが決定します。
成功への道を阻む3つの敵が、まさに「
ムダ」「
ムリ」「
ムラ」の「
3ム」なのです。
または、各2文字目をとって、「
ダラリ」とも言われます。
具体的に見てみると
「
ムダ」:目的(目標)より手段が大きい(多い)状態
「
ムリ」:目的(目標)より手段が小さい(少ない)状態
「
ムラ」:目的(目標)より手段が大きかったり小さかったりが混ざっている状態
このような状態を「
3ム」と言います。
「
ムダ」は、例をあげると、過剰な在庫や、余分な人件費など、現状の能力でこなせる作業でありながら、必要以上のものや人がある状態を言います。
「
ムリ」は、「
ムダ」と相反する状態で、現状のものや人、または能力において不足が発生し、負荷がかかっている状態を言います。
「
ムラ」は、「
ムダ」と「
ムリ」が混在し、ものや人、能力に対して、余剰と不足を繰り返し、安定しない状態を言います。
「5S」とは?
製造現場で、生産性の高い効果を生み出す手法が「
5S」です。
「
5S」は「
整理」「
整頓」「
清掃」「
清潔」「
しつけ」から成り立ちます。
「
5S」はどんな業種であっても、仕事の基本ではありますが、特に製造現場では、いかに「
5S」を守るかによって、安全性や品質の向上につながっていきます。
具体的に見てみると
「
整理」:必要なもの、不必要なものが明確に分類されている状態を言います。
「
整頓」:「整理」することにより分類された必要なものが、なおかつ、どこに存在しているのかが明確に把握できる状態を言います。
「
清掃」:ゴミや汚れが常にない状態を言います。まとめて、清掃を行うのではなく、その都度こまめに清掃を行うことで、常に清掃された状態を保つことができます。
「
清潔」:「整理」「整頓」「清掃」がなされた状態で、かつ自分の身だしなみも清潔である状態を言います。
「
しつけ」:上記にあげた4つの「S」を習慣づけ、かつ、マナーやビジネスの基本も、周囲の人に影響力を与えることができる状態を言います。
「3ム」と「5S」の相互作用
「
3ム」と「
5S」は、どちらかだけが発生していても、高い生産性や成功にはつながりません。
製造現場が、清潔で整頓されているという「
5S」を保っているからこそ、ムダやムラ、ムリの「
3ム」がどこに発生しているかを顕著にすることができます。
また、逆もまた真であり、ムラやムリなどの「
3ム」が発生している状態を改善するために、まずは「
5S」を見直そうという動きをとることができます。
例をあげると、製造過程のベルトコンベアの上に、安全ではないカッターが置かれて流れてきたとします。
これは、「
5S」のうちの「
整理」「
整頓」がなされておらず、工具が過剰に存在している「
3ム」のうちの「
ムダ」が発生しています。
この「
ムダ」が明確になったことで、「
整頓」「
整頓」を改善しようとする「
しつけ」を、工場内で行おうと呼びかけます。
そして、「
ムダ」がなくなり「
整頓」「
整頓」がなされた製造現場では、安全性や生産性の高い品質を生み出すことができるのです。
「
3ム」と「
5S」は常にお互いが作用しながら、改善と行動を繰り返します。
しかし、改善と行動をいつまでも繰り返していることも、また「
ムダ」につながってしまいます。
最終的な完成形は「
3ム」を排除できることです。
そのためには、「
5S」の行動を常に心がけて、生産性の高い仕事をこなすことが重要です。