働く人が持つ生活意識や社会の理想像を把握する狙い
2017年8月25日、日本労働組合総連合会(以下、連合)は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、働く者、生活者の立場から政策・制度について提言を行っており、この度、働く人が持つ生活意識や社会の理想像を把握するため、「日本の社会と労働組合に関する調査」(以下、同調査)を実施したと発表した。
同調査の対象はネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の15歳~64歳で働いている人(自営業・フリーランス、役員・経営者を除く)、調査期間は2017年4月21日~4月26日で、インターネット調査により実施し、1,036サンプルの有効回答を得た。なお、実施協力機関は、ネットエイジア株式会社。
調査結果の概要
現在の生活満足度では、満足54%・不満46%で、満足度が最も低い世代は40代であり、将来に対して約8割が不安を感じており、現在の生活満足度が低い層ほど不安を感じる傾向が顕著であり、その要因として「老後の生活」が最も多く、10代・20代の半数以上は「仕事の有無」と回答している。
理想とする社会のイメージでは、「長時間労働で高収入」より「ワーク・ライフ・バランス」、「活発に転職」より「定年まで同じ会社」を理想としており、成長よりも格差が小さいことを重視する人や低負担・低福祉より高負担・高福祉を志向する人が多い傾向だ。
また、8割強が「ハイリスク・ハイリターンな社会」より「ローリスク・ローリターンな社会」を選択しており、日本の安定的な成長・発展のために重要なことの1位は「安定した雇用」で、次いで「労働環境の改善」が多く、男女別では、女性の「医療・介護制度の充実」や「子育て・教育支援」が重要と考える傾向が目立つ。
職場については、「現在の勤め先は働きがいを感じない」が2割半で、契約・嘱託・派遣社員では3割強であり、職場環境で経験している実態として、「有給休暇取得が困難」が31%、「パワハラやセクハラ」が15%、「残業代未払い」が16%となっており、男性の3人に1人は「相談相手がいない」と回答した。
職場の人手不足について、「感じる」が6割強、「これから職場で人手不足が深刻化すると思う」が7割で、人手不足対策として必要だと思うことの1位が「賃金や労働条件の引き上げ」、次いで「業務効率化」、「業務量調整」の回答があった。
労働組合について、「必要」が5割半で「不要」の1割を大きく上回っており、労働組合の活動で期待することの1位は「賃金の引き上げ」で、次いで「労働時間の短縮」、「非正規労働者の処遇改善」となっている。
また、連合の認知率は6割半で、10代は3割と低く、年代が高くなるにつれて上がって、60代は8割強になっており、連合へ期待することの1位は「賃金・労働条件の改善」で、「非正規労働者の処遇改善」、「中小企業で働く人の支援」と続いている。
(画像はプレスリリースより)

連合 ニュース・インフォメーション
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20170831.pdf