ハラスメントの発生
高度経済成長以前の明治時代から男性中心の社会だった日本では「男性は外で仕事をして稼ぐもの」「女性は家を守り子育てをするもの」という役割分担が見られました。
女性の社会進出が進み、男女共にさまざまな働き方が可能になった現在でもそうした考えをもつ人は少なくないのかもしれません。
セクハラなどに代表される会社内での嫌がらせ=ハラスメントの一つとして「マタハラ」や「パタハラ」などが問題となるようになってきました。
マタハラ・パタハラとは
「マタハラ」とは女性労働者が妊娠や出産、育児を理由として職場の中で精神的・肉体的な嫌がらせを受けることや仕事や昇進などでの差別、自主的な退職の強要や解雇などを受けることを指して言います。
そして「パタハラ」とは男性労働者が同じく育児や妊娠・出産のサポートなどを理由にパワハラと同じような差別や嫌がらせを受けることを指します。
こうした現状を踏まえ、厚生労働省でも育児・介護休業法の平成29年施行の改正法でマタハラやパタハラなどの行為の禁止に加えて予防措置を義務づけています。
ハラスメント行為の企業への悪影響
現在ではパワハラを始めとしてマタハラによる降格や退職などの扱いに対して訴訟で争われる事例もいくつかあります。もしハラスメントが原因で妊娠や出産に支障が出てしまった場合には訴訟になってしまう可能性が十分考えられます。
また、SNSなどで企業への悪いイメージが拡散、炎上してしまうことも考えられ、企業イメージの失墜につながってしまうこともあり得ます。
ハラスメント行為の防止のために
会社内でのマタハラやパタハラなどの行為を防止するためにはまず、社内でのハラスメント行為への方針や規定を決め、専門の相談窓口を設置することが必要です。
また、職場でのどの様な行為が、職場の中ではマタハラやパタハラなどのハラスメントとして認定されるのか分かっていない人も少なくないでしょう。
特に妊娠や育児の報告先であり、部下のマネジメントを行う管理職ではマタハラはパタハラに対する認識をすることが必要です。専門の講師などを招いて研修などをしっかりと行うことも必要になってきます。
社会全体に浸透することが大切
そして、マタハラやパタハラを防止するためには国の法整備や職場の対策などを通じて、マタハラやパタハラに対する意識が社会全体に浸透していくことが大切です。
家庭や仕事の場だけでなく、社会全体で出産や育児を助けていく環境になることがハラスメントの防止の最終的なゴールと言えるのではないでしょうか。
(画像は写真ACより)