妊娠とサポート
妊娠中には体のホルモンバランスが崩れ、食事や睡眠、日常生活などのサイクルが乱れてしまうことがあります。
仕事はおろか、日常生活にも不便なことが増えていくために妊娠している従業員がいる職場ではさまざまな方法でサポートをしていくことが必要になります。
仕事の負担を減らす
妊娠が進むにつれ、体を自由に動かすことが難しくなります。また、人によっては集中力の低下などが起こることもあります。
男女雇用機会均等法では、妊婦が保健指導や健康診査を受けることができるように、必要な時間を確保できるようにしなければならないとされています。
また、そうした健康診査などで指導されたことを守ることができるようにするために、勤務時間の変更や勤務の軽減など必要な措置をとらなければならないともしています。他にも、妊娠を理由にした不当な配置転換や解雇を禁じています。
職場の勤務上ではフレックスタイム制や短時間勤務、在宅ワークなど制度の活用で母子への負担を極力減らすようにすることが求められるでしょう。
仕事の引き継ぎと休暇取得
実際の職務の場では妊産婦の従業員が健康を損なうことのないようにしなければなりません。
労働基準法では妊産婦の体に悪影響を与える様な仕事(重い荷物を扱う、有害な物質を扱う…など)に従事させることが禁じられています。また、出産前の6週間、出産後の8週間については労働させることを禁じています。
実際の労働現場では、今までの仕事内容を見直し、体に負担のかかる業務からの配置転換や業務の分担、また、産前・産後の休暇や育児休暇の取得を見据えた業務の引き継ぎを行っていくことが必要でしょう。
男性にもサポートを
妊娠して出産を控えている女性だけではなく、家族が妊娠し、サポートをする男性従業員にも適切な対応が望まれるでしょう。
出産を控えた奥さんへの病院の付添や日常生活のサポート、出産後の家事や育児面でのサポートなどいわゆる「イクメン」として日々行うことは数多くあります。
男性の従業員にも育児休暇や有給の使用によりサポートするための時間を作ってあげる必要があります。
平成21年の育児・介護休業法の改正により「パパ・ママ育休プラス」という制度が設けられ、両親ともに子供が1際2カ月に達するまでの間に1年間の育児休暇を取ることができるようになりました。
日本の国内で核家族化が進み、周囲からの手助けが多かった時代と比べて、妊娠・出産・育児での女性への負担が大きくなりました。
また、女性の社会進出により妊娠・出産を控えながら働くということも少なくありません。
そうした状況を踏まえ、労働基準法の改正や男女雇用機会均等法の施行など法律の整備も進みつつあります。また、男性の育児参加が求められる時代でもあります。
職場の中でも、各種法律や制度を踏まえつつ、仕事の分担や産前・産後休暇や育児休暇の取得、男性の育児への参加をサポートするなど、周囲が協力して対応することが大切です。
(画像は写真ACより)