近年の家計における所得の動向と変化要因を分析
2017年10月24日、厚生労働省は、「家計所得の分析に関する報告書」(以下、同報告書)を公表した。
同報告書は、「平成29年版厚生労働白書」の作成に当たっての基礎資料を得ることなどを目的としたもので、同省が実施している「国民生活基礎調査」(以下、同調査)のデータを使用して、家計所得に係る分析を行ったとのこと。
同調査で利用したデータは、「世帯票」データの世帯人員数・有業人員数・世帯類型・世帯主の年齢と世帯員の続柄・性別・年齢・仕事の状況等や、「所得票」データの世帯の所得情報・世帯の拠出金情報・世帯員の所得情報などである。
また、調査年次は、1986~2013年の大規模調査年(3年おき)及び2015年の合計11か年分で、所得額は、調査年次の前年の1年間の所得額である。
分析内容の概要
世帯主年齢階級別の世帯数割合は、「世帯主70歳以上」の場合、1986年の9.0%から2015年の29.1%に増加しているが、「世帯主29歳以下」では1986 年の11.2%から2015 年の5.7%に減少している。
等価可処分所得の推移を世帯主年齢階級別にみると、いずれの階級も1994年もしくは1997年をピークに、2003年にかけて減少傾向で、2003年~2009 年はほぼ横ばい、2012年~2014年は、「世帯主が70歳以上」を除いて増加している。
世帯主が非正規雇用労働者である世帯数割合を世帯主年齢階級別にみると、世帯主が「30~39歳」、「40~49歳」、「50~59歳」は、それぞれの階級において全体の1割程度である。また、「60~69歳」では、2004年以降2015年までの間にほぼ倍増しているとともに、正規雇用の割合も増加しており、高齢者就業が増加している。
世帯主が非正規雇用労働者である世帯と正規雇用労働者である世帯の等価可処分所得を比較すると、世帯主が「30~39歳」、「40~49歳」、「50~59歳」で2003年以降、世帯主が非正規雇用労働者の世帯は、世帯主が正規雇用労働者の世帯の6割程度となっている。
(画像はプレスリリースより)
厚生労働省 報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000181779.html